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「終わると思った」 退団に近づいていたリッチーがチームの変化を語る


ニューカッスルのMFマット・リッチーが英メディア「スカイスポーツ」のインタビューに応えた。


リッチーといえば、リーダシップーに長ける選手という印象を持つ人が多いだろう。試合を通じて声を出し、味方を鼓舞し続ける。時に必要があれば激しいタックルも辞さない。チームのために走れる選手だ。


「僕にとっては普通のことなんだ。16歳でポーツマスのトップチームに招集された初日から、グラウンドに出ればこれが自分のスタイルさ。周りの選手には、このガキは誰だ?って思われていたかもね」


「ニューカッスルには、在籍が長くこのクラブの目標やあるべき姿を理解する中心選手が数人いる。一方で、全員が全力を尽くし、互いに助け合う義務がある。リーダー的存在だという自負はあるけれど、全員がそういった責任を負っていなければいけない」


そんなピッチ上の闘将も、今シーズンはベンチを暖める苦しい時間を過ごしてきた。前半戦はほとんど試合に出ることができず、昨年契約を延長したばかりであるにもかかわらず冬には古巣ボーンマスへの移籍が噂されていた。


実はチェリーズへの復帰はほぼ決まりかけており、地元紙「クロニクル」が以前に報じた内容によれば、リッチーは練習施設のロッカーを片付け、移籍の準備を整えるところまで話は進んでいたという。しかしスティーヴ・ブルース監督は代役となる選手の獲得に漕ぎ着けず、一転リッチーはタインサイドにとどまることになった。


「正直にいうと、イエスだ。ニューカッスルでのキャリアは終わると思った」


「とても難しい時間だった。恐らく、自分が万全な状態なのにプレーできないという状況はキャリアで初めてのことだったからね。精神的にも肉体的にも、練習に望むのが厳しかったんだ。今までに直面したことのない挑戦だった」


「呼ばれた時のために身体を整えておかなければいけないし、週末に向けてモチベーションを高めながら練習し続けなければいけない。そうしていながらも、長いこと出場できないのは本当に辛いことなんだ」


「今はそれを乗り越えたと感じている。この6ヶ月、試練に自分が対応できたことは喜ばしい」


ニューカッスルは12月以降一気に調子を落とし、後半戦に入ると一気に残留争いに引きずり込まれた。


「このチームにはクオリティがあるというのに、時にそれが順位に反映されないのはもどかしいものだ。でも、それがプレミアリーグさ」


「我々は質も高く、熱意も持っている。しかし、重要なのはシーズン通しての継続性だ」


「最近のチームは、グループとしてとても良くなっている。ブライトン戦で大敗を喫した時、もう試合が少なくなっている、ポイントを稼ぐ時間が足りなくなっている、という危機感が芽生えた。それは不幸中の幸いだったかもしれない」


クラブが厳しい状況に置かれる中、リッチーは3月以降出場機会を増やし、スタメンに返り咲いた。そして彼のパフォーマンスもあってチームは再び勝利を掴めるようになっている。


そんなリッチーだが、2018年を最後に代表召集からは遠ざかっている。現在指揮を取るスティーヴ・クラーク監督は、スコットランド代表として23年ぶりとなるEURO本大会への出場を勝ち取った。本番は今シーズン終了後に予定されている。


「もしかすると監督から連絡が来るかもしれないけれど、これまでチームの成功に貢献してきた選手たちにアンフェアだ。皆が成績を残しているのは喜ばしいことだよ。監督が就任した時に僕も話をしたけれど、家族が南に住んでいて、子供達との時間を増やすために代表を辞退したのさ」


「彼は理解してくれたよ。僕自身後悔はしていない。もちろん代表戦を見るのは楽しいね。特に一緒にプレーしてきたジョン・マッギンはすごい。ユーロでの成功を願っているよ」


「ジョンは、選手各々がどれだけ代表での時間を楽しんでいるか話してくれた。彼らがやっていること、そしてパフォーマンスを見ればそれは明らかだ。大きなプレッシャーを感じながらの戦いだと思うけれど、楽しんでいると同時にプレーもしっかりしている。ここまでの実績は成功と呼ぶに相応しい」


リッチーがスカッドに戻り、ニューカッスルはスピリットを取り戻したように感じられる。しかし、まだ降格チームは決定していない。残り4試合、残留を決定づけるためにポイントを奪わなければならない重要な試合が続く。しかも最終節には、直接のライバルであるフラムとの対戦が待ち構えている。


崖っぷちから這い上がってきた男がチームを救えるか。そしてさらに上を目指す来シーズンの活躍に、注目していきたい。

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