得点力不足解消へ…ニューカッスルが狙うアタッカー達と獲得の実現性
- WASSY
- 2020年1月9日
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1月の移籍市場が開幕し、1週間以上が経過した。すでに新戦力の加入を発表しているクラブも多い中、ニューカッスルサポーターのもとに、まだ吉報は届いていない。
この冬の補強ポイントとして挙げられるのがストライカーだ。夏に4000万ポンドを投じてホッフェンハイムから引き抜いたFWジョエリントンは、ここまで公式戦わずか1ゴールとその価値を証明できていない。アンディ・キャロルはチームの良き兄貴分として存在感を示しているが、負傷の多さは誰もが知るところだろう。チャンピオンシップ優勝に貢献したドワイト・ゲイルも、プレミアリーグでは物足りない。

日本人ストライカーの武藤嘉紀は、スティーブ・ブルース監督のサッカーに馴染めず苦境のシーズンを送っている。プレシーズンではウェストハムを相手にゴールを決め、8月のカラバオカップではレスターからも得点を奪ったが、プレミアリーグでのスタメン起用はたったの2回。年末年始になり少しずつ出場機会を増やしていた矢先、腰を負傷して戦列を離れている。
そんな背景から、クラブはこのマーケットでのアタッカー補強を目論んでいる。ローマFWニコラ・カリニッチへのオファーは選手によって拒否されたようだが、それ以外にも多くの選手と接触していることがメディアを通じて我々の耳に入っている。
ブルースが獲得を熱望していると言われているのが、ジャロッド・ボウウェンだ。2部のハルで昨季チーム内得点王に輝き、さらに今シーズンも17得点をマークするなど今ノリにノッている23歳で、ブルースはハルの指揮官を務めていた時代から、アンダー世代でプレーしていたボウウェンと繋がりがあり、得点力不足の解決策として彼を引き抜きたいと考えている。その価値は2000万ポンドと言われており、資金調達のために武藤嘉紀やキ・ソンヨンを売却するという報道まで飛び出した。

とはいえ、プレミアリーグ復帰を目指すハルがシーズン半ばにエースを易々と手放すことは考え難い。彼の契約は今年の6月で期限切れとなるものの、クラブは延長オプションを握っているため、少なくとも夏までキープすると見るのが妥当だろう。
チェルシーで構想から外れているオリヴィエ・ジルーもニューカッスルへのレンタル移籍が噂されている。イングランドでの実績は十分、さらにフィジカルの強さはブルースの戦術にもマッチするだろう。選手もゲームタイムの少なさに不満を感じており移籍に前向きだ。

ただしチェルシーは新しい戦力をチームに迎え入れない限りジルーの退団を認めない方針で、仮に補強が実現したとしてもその時点でニューカッスルがローン契約をまとめる時間が残されているとは限らない。
ミランのポーランド代表FWクリストフ・ピョンテクもターゲットの1人と言われている。ジェノアでの活躍が認められ昨年1月にロッソネロへ活躍の場を移すと、半年で9ゴールを叩き込むなどインパクトを残したが、今シーズンはここまで4得点。ズラタン・イブラヒモヴィッチが加入したことにより序列が下がることも予想されている。ニューカッスルは買い取りオプション付きのローンで同選手をタインサイドへ連れてこようと目論んでいるようだ。しかし、アトレティコ・マドリードにトッテナム、アストン・ヴィラなど、多くのクラブが彼の引き抜きを画策しているため、競争に勝つのは極めて困難だろう。また選手はミランでのポジション争いに意欲を見せているとも報じられている。

ボウウェンと並ぶトップターゲットが、同じく23歳でレンジャーズのゴールハンター、アルフレッド・モレロスだ。この男、とにかくネットを揺らしまくっている。

今シーズンはスコティッシュ・プレミアシップで12ゴール、ヨーロッパリーグの予選とグループステージで14ゴール、リーグカップで2ゴールを挙げ、公式戦35試合出場の28ゴールをマークしている。加入から2年半の総得点数は、なんと76ゴールだ。
同選手が将来的にトップリーグの門戸を叩くことは確実だろうが、それは少なくとも来夏以降になりそうだ。スティーヴン・ジェラード監督率いるレンジャーズは優勝争いの真っ只中におり、ニューカッスルから届いた交渉の申し入れも、一蹴したと報じられている。
このリストの中でも現実的な選択肢として挙げられるのが、エヴァートンのジェンク・トスンだ。ベジクタシュでプレーしていた2017年にもニューカッスルへの移籍が幾度となく噂されていたが、結果的にトフィーズ行きを選択し、それから2年間でわずか48試合にしか出場していないものの、10ゴールをマークしている。マグパイズはレンタルでの獲得を狙い、同選手に接触している模様だ。

また、ブライトンのベテランFWグレン・マレーも引き抜きが比較的容易な選手の1人だろう。9月に36歳になった同選手は、ブライトンのプレミアリーグ昇格後、数シーズンに渡り攻撃陣を牽引してきた存在だったが、今期はリーグでの先発出場がわずか3回に減少しており、6月には契約切れも迎えることになる。ニューカッスルは1月から6月までの短期契約でマレーをチームに加えたいと考えている。

ここで紹介した以外にも複数の選手にニューカッスル移籍の噂が報じられている。確定情報こそないが、チームが新戦力の獲得に向け精力的に動いていることは間違いなさそうだ。マーケットでは出遅れるのが当たり前になっているが、この冬こそは素早くピンポイントな補強を期待したいところである。
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